【山田くんとLv999の恋をする】先生のチラ見せから44話を妄想する

山田くんとLv999の恋をする43話の感想はこちらから

先生のチラ見せから44話を妄想します

 

こんばんは。43話の余韻に浸り続けているセロです。

先生のチラ見せずっと見てたら、自分都合な解釈でお話できました。

明日の会社の打ち合わせは他人事のように出席する覚悟を持って書きます。

 

 

残り香

 12月31日大晦日の夜。もうすぐ今年も終わろうとしている時間に、「年越しそばは食べるものだ」と昨日彼女が残して行ったカップ麺を啜る。別に美味しいとか、そういう感想は無く、ただ胃を満たすためのものという認識でしかなかった。それにしても昨日食べた唐揚げは美味しかった。このカップ麺なんか比ではないほどに。

 『山田は放っておくと生活乱れちゃいそうで心配だよ~』

 そう言った彼女は今日から群馬の実家へ帰郷している。久しぶりに家族と会うのを楽しみにしているようだった。昨日まで賑やかだったこの部屋は静寂に包まれていて。今日は大晦日ということもあり練習も無ければ、塾もないし、受験勉強は先ほどまでしていたから、今は本当にやることが無かった。

 これまでの人生で年越しというイベントに興味を持ったことが無かった。自分にとっては特別でも何でもない国民のイベントに付き合う必要はないなとベッドの上に寝っ転がる。

 枕に顔を埋めて目を閉じると、昨日の彼女とのやりとりが浮かんできた。

 「茜さん」

 そう口にすると、脳内で作り出した記憶の中の彼女は楽しそうにこちらに微笑みかけてきた。

 自分のPCとノートPCを立ち上げると、デスクチェアに腰かけてその上に茜さんを抱えて乗せた。若干抵抗されたが、一緒にゲームをしたいならこの机でやるしかないと言えば、渋々ではあるが承諾して大人しくなった。俺を誘ってログインする約束を瑛太さんとしてしまったとか何とか。そんなの放っておけばいいのに、律儀だなと思った。

 しばらくゲームをしながら、茜さんが下から見上げてきてボソボソと何か言っているが聞こえないので耳を近づける。

 「山田、良い匂いする」

 そう言って頬を赤らめて前を向いてしまう。匂い?そんなことをこれまで誰かに言われたことも無ければ、他人の匂いが分かるほど至近距離に居たことが無かったのであまりピンとこない。とりあえず、服の中に鼻を近づけて嗅いでみるも、何も匂いを感じることはできなかった。

 そういえば目の前にいる茜さんからはいつも良い匂いがしたな、と頭からうなじにかけてクンクンと匂いを嗅いでみた。どこを嗅いでも甘く引き寄せられる匂いをしていて。うなじに鼻を当てたまま大きく息を吸い込むと、茜さんは膝の上で暴れ始めた。

 「茜さんも良い匂いします」

 「そ、そう?」

 ゲームの画面をチラッと確認すると、ギルドのメンバー(主に瑛太さん)たちが好き放題言っているが、そんなことよりも目の前の茜さんが気になってしょうがない。

 「じゃあ、私たち遺伝子レベルで相性いいのかも」

 「遺伝子?」

 「とっても相性が良いってこと!」

 何を言っているのかよく分からなかったが、悪い気はしなかったし、振り向いた笑顔が可愛かったのでたまらず抱きしめた。

 「遺伝子レベルね……」

 枕に顔を突っ込んだまま昨日のやりとりを思い出す。『女ってわかんねーからな』と過去にクラスメイトの言った台詞には同感で、彼女が昨日言った「遺伝子レベルで~」のその意味は未だに理解できていなかった。時々理解できないことを言われると頭から離れなくなるから勘弁してほしい。

 いや、それは彼女の言った意味の分からない言葉だけではなく、この枕から香る彼女の匂いが昨日の記憶を鮮明に思い起こさせているのかもしれない。

 夕方に群馬に着いたと連絡が来たから、今は家族と会話を楽しんでいる頃だろうか。そろそろ「おやすみなさい」と連絡しようか。そんなことを考えていると、スマホの着信が鳴り、茜さんからの連絡じゃないかと期待して画面を見た。しかし、画面に表示されたのは「兄」の文字。この気分を台無しにされたくなくて、スマホを手元から話した。

 「ほんっとこいつ連絡つかねーな」

 なんてことをどうせ言われているんだろう。

 枕に残された香りが消えてなくなってしまう前に、本物の彼女の匂いを嗅ぐことはできるのだろうか。彼女と付き合うことになってから、時々自分だけが彼女を求めている気がして虚無感が襲ってくる。

 再びの着信に一応画面を見ると「木之下茜」の文字。急いで画面ロックを解除して通話をする。

「もしもし、茜さん。あけましておめでとうございます」

 

END

 

セロ
セロ

もう勝手にあのイケメンは兄設定にしてしまいました。もし今後山田のライバルになるようなことがあれば、あのイケメンはわたしが貰います。タイプです。兄でありレンくんなん?(ここに来るまで長谷川くんのこと忘れてた……ごめんね)

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