【SS】再婚承認を要求します

こんにちは!セロです。いつも感想メモ楽しみにしていただきありがとうございます!今回も書こうと思っていたのですが、なんか妄想したい気分になってしまい勢いでショートストーリー妄想しましたwwwそんなことより早く書けよ!という声が聞こえてきそうですが、ちょっと、待ってください!

ナビエ視点のハインリとのお話、ちょっぴりソビエシュ。なんか自分の今の再婚承認への気持ちをそのままぶつけた感じの話になりました。花粉症酷すぎて春は嫌だな~から春らしい良いことはないかと想像して、花見したいな~とか考えて行きついたという何とも安直な・・・。時系列としては再婚して結婚式を終えた後のどこかっていう曖昧な感じです。pixivに投稿する?と迷いもしましたがタグも無いし盛り上がるかわからなかったのでここでひっそり。妄想脳なんで時々こういうことしますが苦手な方はUターンをお願いします。

 

 

 

 景色一面に広がる多彩な花。花の名はチューリップ。東大帝国の都市から離れた土地にあるこの場所へ初めて訪れたのは何年前のことだろう。


『ナビエ。また、いつかの春に来よう』

 そう言って笑顔を向けた男は、もう私の隣にはいない。

 追想

 


 突然思い出した記憶は、この景色を見るまで忘れていた記憶だった。


 夫から「チューリップを見に行きませんか?」と言われてまさか東大帝国の方まで連れて行かれるとは思わなかった。皇后としての仕事もまだたんまりと残っているのに、とニコニコ笑っている夫を咎めると、「そうでもしないとクイーンは休まないでしょう」と言われて何も言い返せなくなる。仕事の皺寄せが来ているであろう彼の部下には毎度申し訳ない気持ちでいっぱいだ。


 そして、目的地へとたどり着くと、昔見た光景と何一つ変わらない一面のチューリップ畑が広がっていた。


「ね、綺麗でしょう?来て良かったですよね?」


 一度来たのでもう見たことがある、と伝えればきっとピンと立った耳が垂れるように落ち込むんだろうなと思い、そっと胸の内に仕舞うことにした。


「ええ、とても」

「ぐるっと一周したら、丘の上で休みましょう。お弁当も作ってきたんです。あ、ちゃんと保存魔法をかけてあるので腐ったりはしてません」


 一緒に過ごすようになってからも夫・ハインリはいつも楽しそうだった。頻繁に料理を作っては食べさせてくれるし、夫婦にはデートが必要だと主張し私をよく外へと連れ出した。だからと言って仕事をサボっているようではないし(実際にはマッケンナという優秀な部下の功績は大きいが)、よくもまあここまでつまらない私に尽くしてくれるものだと感心する。


『皇帝になったら忙しくて遠出する暇はないかもしれないがな』

 そう言って笑った元夫・ソビエシュとは、本当に言葉通り今のような時間を過ごすことは無いまま、突然現れた愛人に全て奪われたなと自嘲気味な笑みが溢れてしまう。
 

「クイーン、もう準備ができています。早く座って」

「あ、すみません」


 シートの上に並べられた色とりどりの料理を囲うように座ると、ハインリはムッとして腕を引っ張ってきた。されるがままに身を任せると、ハインリの足の間に挟まれるように座らされて頬に熱が集まる。


「ちょっとハインリ…」


 穴場なのか、幸いにも人の目が無いことを確認してほっと一息ついていると口の前に食べ物を差し出される。


「早く、食べてください」


 この家族に食べさせるというハインリ一族の習慣は何度回数を重ねようとも慣れることはないと思っている。それでも拒否するとあからさまに項垂れてしまうので、仕方ないなと渋々受け入れるのだ。私はつくづくこの夫に甘いと思う。自覚はしている。


 ハクシュッ、とハインリがくしゃみをした。


「まだ肌寒いのに、飛び回ってたんでしょう」

「ち、違います。突然鼻がムズムズって…」

「ほら、鼻かんでください」

 振り向きハンカチを取り出して鼻をかませようとして、「クイーンの綺麗なハンカチがぁ」など気にするので頬をパチっと叩くと、頬を染めて照れたように大人しく従った。

 

 

 

「綺麗なチューリップですね」


 あれから調子に乗ったハインリは体制を変えて膝の上に頭を乗せてきた。まだハインリ自身は何も食べていないというのに、私に食べさせるだけで満足したようだった。


 皇帝となって忙しいはずなのに、夫と過ごす時間は東大帝国の時よりも長い。仕事でも、夜の寝室も、そして休日も。


 膝の上で心地いい位置を探すようにゴロゴロと動かれて何だかむず痒い。最終的に私のお腹に顔を埋める形で落ち着いたようだ。可愛く思えてきて柔らかい髪を撫でる。


 こんな穏やかな姿をソビエシュは一度も私の前では見せたくれなかったな、と思ってから今日はなぜこんなにも元夫を思い出して感傷に浸っているんだろうと疑問に思う。


「クイーン?」


 気がつけば膝の上で眠っていたはずのハインリが身体を起こして目の前にいて。耳から首筋に手をかけ強引に引き寄せられて、唇を重ねていた。少しの抵抗は受け入れられず、何度も何度も重ねられた。今、彼がどんな顔をしているのか、近すぎてよく見えない。


 どれくらいの時間が経ったのか、顔を引いたハインリは笑ってはいなくて。真面目な顔で、でも目は熱を帯びているような色気のある表情。こんなところでその顔は、少し、困る。


「こ、こんなところで…」


 するといつものように頬を染めたハインリは私から目を逸して答えた。


「別のことを考えているようだったので、クイーンを取り戻したくて、つい」

「……あなたは私の心まで欲しいんですか」

「はい」


 今度はまっすぐ見つめられて、こちらが目を逸らす番だった。満足気なハインリは再び私の膝へと頭を落とす。


 もう全てあなたのものですよ、と教えてあげるには羞恥心が勝ったので、私は膝からハインリを落として立ち上がった。


「いっ!痛いです……」


 高鳴る胸を抑えて馬車へ向かって歩き出す。片付けもあるハインリはすぐには追いついて来れないだろう。


「今が幸せだから、あの頃の自分と比べたくなるのかしらね」


 さようなら。二度と守られることは無い約束と共にあの頃の思い出はここに置いていこう。


「ハインリ、今度は違う花が見たいです」


 彼は望めば必ず、私の願いを叶えてくれるんだろうな、と駆け寄ってくるハインリを見て微笑んだ。

End.

 

 

 

短い!お付き合い有難うございました。習い事から帰ってきて時間があればメモの続き更新します♬♬

セロ

10 COMMENTS

すずめ

いちゃいちゃが尊いです
クイーンとハインリがこういう風につかの間皇帝と皇后の職務を忘れて普通に恋愛出来たら良いなと本当に思います
ハインリが皇后としての教育により自分の本音は出さず皇后としての態度を崩さずにいたクイーンの心を溶かして氷のようとか鉄のようという評判から人間味溢れる素のクイーンとして西に君臨していけたらいいなと思います

でも幸せSSが先に出るということもしかしてこの後の小説の続きがまさか辛い展開なのでは?とちょっと震えつつお待ちしております

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セロ

>すずめさん
あわあああああああコメントありがとうございます;;
めちゃくちゃ嬉しいです・・・
そうなんです!すずめさんのコメントすべてに同意なんです!!!
東大帝国でのことを乗り越えてこその今と、ハインリとの相性の良さと・・・新しい地で幸せになってほしいですね。
いえいえ!書いたときはまだ原作の続き読んでなかったのでご安心(?)くださいませwww

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皐月

セロさぁーーーん!!最高過ぎです!!
ニヤニヤ何止まらないストーリーでした\(//∇//)\
ナビエはソビエシュからホントに辛い思いをさせられたので!!これからはハインリと毎日イチャイチャ、ラブラブな生活をしてて欲しいです!!

これからも続きを楽しみにしてますね!(*☻-☻*)

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セロ

>皐月さん
皐月さ~~~ん!!!感想嬉しいです!!!ありがとうございます;;
ニヤニヤしていただけて良かったです!もう二人は何しててもニヤニヤが止まりませんw
ソビエシュとのことを乗り越えて、ナビエには幸せな毎日を送って欲しいです♡

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みくく

小説の続きを目当てに見にきたらとんだご褒美が〜!
ちょっびり切なくてでも幸せそうなナビエ様にホロリとしました。
幼馴染と結ばれるお話は大好物ですがソビエシュ、君はナビエ様を傷つけすぎたよ。楽しかった美しい思い出もいっぱいあったはずなのに。
ナビエ様、ハインリと幸せにね。
ステキなお話ありがとうございました

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セロ

>みくくさん
ありがとうございます~~~;;感想嬉しいです;;
読んでて切なくなりながらもハインリとの幸せな日々にニヤニヤしている気持ちをぶつけてみました!
わたしも幼馴染と結ばれる話が好きです。。。だからここまで切ない気持ちになるんですかねえええ
皇太子妃時代の回想シーン、泣きそうになります。でもこの作品に限ってはハインリと幸せになってほしいですね。

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るる

うわぁぁあ!!切なすぎます!!
そして、ハインリ様可愛すぎますーー!
セロ様、文才能力高すぎです!!(^^)
原作でもありそうすぎて、めっちゃ頭の中で、再生できました!
これからも楽しみにしてます!

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セロ

>るるさん
感想ありがとうございます;;めちゃくちゃ嬉しいです;;
ソビエシュとナビエの切なさと、ハインリとナビエの可愛さとをミックスしてみました!
頭の中で再生していただけたの嬉しすぎます……やった!!!はあ妄想が止まりません……

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スギ

初コメです。
LINEマンガだけでは先の展開が気になり、こちらのサイトを見つけてどっぷり読みふけっていました(〃▽〃)
セロさんのSSも最高です!

「私の心までほしいのですか」

言いそう!ナビエ、言いそう!!!
1人興奮しておりました。
これからも楽しみにしてます(〃▽〃)

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セロ

>スギさん
はじめまして!いつも原作ネタバレのほうをお読みいただきありがとうございます!!!
そしてSSの感想まで…めちゃくちゃ嬉しいです;;
言うかな~?と思いながら書いたので、共感いただけてホッとしています♬
こちらこそこれからもご覧いただけたら幸いです^^

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